ふたもりのブログ(仮)

個人的な感想とかメモ書きのまとめ。ネタバレもあるのでご注意を。

「リコリス・リコイル」感想

リコリス・リコイル 6(完全生産限定版) [Blu-ray]

 

百合バディガンアクション。

 

全体的な話

  • 大変良かった、のだが結構強めに気になる点も多い。良い場所も気になってしまう点も強力、そんな印象。
  • とはいえ総合的にはやっぱり大変良かったと思う。気になってしまう所が多いのも、良い作品だったからこそ、だと思うし。
  • 間違いなく、魅力的で、面白くて、ハイクオリティだった。

良かった話つらつら

  • キャラデ。メインキャラ達がだいたい顔面が良い。可愛い。
  • ガンアクション。めっちゃよく動くし、めっちゃかっこよい。とりあえず千束がでたらめに強いので、その強さが際立つ。正直この部分のウェイトが大きい、というか1話でハートを鷲掴みにしてきたのがこれ。
  • ちとたき。だいたい百合。とくに序盤のDA離脱後のたきなと仲良くなる流れは大変美味しい。千束に影響されて、徐々に変わっていくたきながたまりません。3話の嬉しい嬉しい好き。2度のデート回も好き。さかなーちんあなごー。
  • 相棒モノ。まあ半分くらい上の話とセットなんだけど、凸凹コンビバディものって良いよねって。まあ逆に、だからこそ最終話がちょっとってなった部分でもあるんだけど。
  • マジマ。なんというか、敵役として本当に魅力的だった。DAサイドが疑わしきは罰する&とりあえず悪そうな奴と悪い奴殺しておけ的なスタンスで「単純なイイモン」では無い都合、敵役のマジマにもある程度の正当性というか説得力がある。そしてクライマックスボスであるため、主題を巡って主人公の千束との掛け合いがあるのも出番・展開に恵まれてたなって。というか千束との件は相互に一定の信頼感があるのが良かった。殺し合う程の敵との信頼関係って、良いよね。映画の話で意気投合しちゃう所とか、好き。最後の盛り上がり方的に、ある意味たきなよりヒロインしてたよねって。
  • 松下戦のたきな。個別で特筆するくらい好き。たきなのブチギレっぷりと、不殺の千束との対比、対立。好き。最高。100億万点。
  • 演出、勢いとか熱さとか。ハッカー勢すごすぎでは?とかたきなのシャッターぶち破ってダイレクトエントリーだ!とか、いくらか突っ込みたくなるような所はあるのだけど、うるせえ細けえこたあいんだよ!みたいな勢いと熱さがあった。魅力の前には些事。
  • 喫茶リコリスサイド。割りと日常っぽい話とかも多かった印象で、喫茶リコリスの面々も大変魅力的。喫茶店や、その常連さんとの交流。私も気の知れた面々でボドゲ会またやりてえ。うんこパフェは笑った。閉店の件で皆に惜しまれるところとかも、序盤中盤通して交流があったからこそだよなって。千束の死の重みがぐっと出てくる感じ。
  • くるみ。個人的今作さいかわ。ちびっこ天才ハッカー。さいきょう。

気になった話つらつら

  • DAの無能感とストレス。DA側は基本無能だった印象。偉そうにイキる割に、最終的には千束頼み。自分たちのミスややらかしは棚上げ。お礼や謝罪は一切なし。その割にクライマックスでは助けるべきヒロインポジションに落ち着くのがなんとも言えない気持ち。印象を意図的に悪くする感じがしていたので、正直途中まではDAが最終的なボスだと思ってたくらい。おそらくだけど、意図的に無能にして主人公サイドを上げる狙いがあったのかな、なんて想像したり。あと助けるべきヒロインを作るなら、そこにたきながいるじゃろ?ってなる。いや、バディモノなのでそれは違うってなるのは分かるけど。
  • アラン機関の主張。主張も中心部分はまあ分かるんだけど、才能に対する考えが狭すぎで理解・共感出来なかった感じ。同じ才能でも活かし方なんで複数あるだろう、と。料理の才能ある人が中華料理の達人になってもフランス料理の達人になってもよくない?あとどう考えても千束の才能は「殺し」ではなく「回避」なんだよなって。「殺し」の才能っていうと、「人を殺してもどうにも思わないサイコパス的な精神」みたいなものだと思うし。まあ、視聴者に共感されないくらいの方が、異常者感、狂ってる感があってよかったのかなあ。
  • アラン機関の組織力。なんかめっちゃ人脈あるとか、めっちゃ金ある、みたいなのは分かるんだけど、敵としての規模感が全然わからんので、何と戦ってるのかがピンとこなかった感じ。裏から世界を牛耳るヤバい組織とかなら松下と部下の人だけしか出てこないのもわからんし。千束の心臓の件で必要だったのは分かるけど、話の筋的には存在がいまいち良くわからなかったので、敵としての魅力としてはあんまりな印象。やっぱ敵役はマジマだよ。マジマジマ。
  • 最後の詰め込み感。アラン機関、DA、マジマ、これら全てと決着を点けねばならず、ラスト3話が詰め込みすぎな印象。ついでに前2つは話的にはあんまりな印象。忙しすぎたし、もうちょっと話を絞ってほしかったなあって。あるいは2クールとってアラン機関編、DA編、マジマ編、で分けてやって欲しかった。みたいな。
  • 最後の戦いにたきながいないこと。マジマと千束の決戦自体はすごく良かった。のだけど、その場にたきながいないことが残念でならなかった。バディモノとして見てたので、やはりラストは二人の連携で敵を打ち破る、みたいなのを期待してしまっていたので。いや、それは旧電波塔でのマジマ・松下戦があったやん、てのは分かるけど、やっぱり最後の決戦に欲しかったんですよ…。まあ最後に千束の心臓でなく、マジマを持ってきた以上仕方がないのかもだけど。
  • シナリオ構造と詰め込みすぎ。強めに気になった点、まとめると要は「いろいろやり過ぎで散らかってた」という話なんだと思ってる。課題として「千束の心臓,寿命」「DAによって作られる偽りの平穏の是非」が大きくあったと思うのだけど、前者はアラン機関、後者はマジマとの対立で展開されてる。それを全部突っ込んだ上に、ついでに「DAを踏み台にした主人公上げ」までやったのでキャパオーバーな印象になってた感じ。そして課題が独立してしまっていた以上、どちらをクライマックスに持ってくるかでメインが決まってしまうというか、課題に上下が生まれてしまう。結果としてマジマが選ばれ、たきな・アラン機関はその前座に。こうなるとバディモノとしてのたきなの活躍が最後にないのが大変消化不良に。うごご。
  • 千束の「不殺」。めちゃくちゃ良い設定だと思うんだけど、個人的にはもっと重くして色々やって欲しかった気持ち。この設定自体、主に命の選択とかで活きる設定だと思っているので。たとえばやむを得ず殺してしまって、自責の念に苛まれたり、たきなが人質に取られてころすかどうかを葛藤したりとか。いや、松下と自分、みたいな件は一応あったけど、松下が選択対象の時点で視聴者側視点からは迷わずやっちまおうZE!みたいな感情で最初から天秤が傾きすぎててな…。不殺を選んだ原因含めて割りとライトな感じだったのが個人的には残念。たきなとの対比的には良かったのだけども。